【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「つぼみも飲むか?」
「じゃあお風呂出たら、飲もうかな?」
「じゃあグラス、冷やしとくよ」
「ありがとう」
グラスを冷やしてもらっている間に、わたしはいつもより長めにお風呂に入った。
湯船でゆっくりと足をマッサージしながら、癒やされた。
「ふう。気持ちいい……」
足をたくさん使っているから、何故か足が浮腫んで足だけ太くなっているようにも感じる。
警察なんて大変な仕事、女子には向いていないかもとさえ思うけど……。それでもわたしは、刑事になることを夢見ていた人間だ。
夢が叶うということは、とても嬉しい。
「いいお湯だったぁ」
お風呂から出ると、日向は何か考え込むような表情で何かを見ていた。
「日向?どうしたの?」
「あ、いや……。ちょっとな」
「何かあったの?」
と聞くと、日向は「今追ってる事件のことで、ちょっとな」と答えた。
「そういや、そっちはどうだ? 殺人未遂事件」
「被害者はまだ、意識が戻らない。……それに被害者には、調べたら前科があった」
「前科があったのか?被害者には」
「うん。高校生の頃、傷害事件を起こしてた」