【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 そして続けて日向は、こう話してきた。

「近所の人の話だと、この付近にも昔、防犯カメラがあったらしいんだけどな」

「え、設置されてたの?」

 ならなんで今は、設置してないのだろうか……。

「そうらしい。 だけど防犯カメラが壊れてから、設置はしてないらしい」

「そうなんだ……」
 
「犯人は恐らく、ここに防犯カメラがないのを知っている人間……かもな」

 そして辺りを見回しながら、日向はそう言ってきた。

「え?」

「この地区の住人の話だと、この地区に住んでいる人なら、みんなここに防犯カメラがないのは知っていたそうだぞ」

 日向が放つその言葉に、わたしは「え、そうなの?」と問いかけた。

「ああ。……ってことは、犯人はここに防犯カメラがないことをあらかじめ知っている人物の可能性が高い」

 日向のその言葉に、わたしは「そっか。だから敢えてここを、現場に選んだ……?」と問いかけるように話した。

「そういうこと。 よし、もう一度住人に話を聞きに行こう」

「うん。分かった」

 わたしたちはもう一度、付近に聞き込みに出向くことにした。
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