【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「すみません!警察なんですが……。少しお話よろしいですか?」
「警察? ええ、いいですけど……」
聞き込みを初めてから約四十分。未だに何も手がかりになりそうな情報は出ていなかったのだが……。
ここで少しだけ、事件が動いたのだった。
「昨夜、この近くで殺人事件があったんですけど……。ご存知ですか?」
「ええ、ニュースで……」
「そうですか。……あの、すみません。この男性、見たことはありませんか?」
わたしはその女性に、被害者の写真を見せた。すると……。
「あら?この人って……」
「え? この方をご存知なんですか?」
と、わたしが尋ねると、その人は「ご存知って言うか……。この人、前に家に営業に来てた営業マンさんです」と困ったような表情で話してくれた。
「え!? それ、本当ですか!?」
「ええ……。半年くらい前だったかしら?」
わたしはその女性に、詳しく話を聞くために「あの、その話……。もう少し詳しく聞かせてもらえませんか?」と尋ねた。
「ええ。いいですけど……」
わたしは「ありがとうございます」とお礼を伝え、その方の家にお邪魔することになった。