【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 そう言ってわたしは、撃たれたもう一人の仲間のことを伝えた。 
 すると……。

「ああ。コイツはもう用済みだからな。死んだって構わない」

「用済みって……。あなたの仲間なんじゃないの?」
 
 コイツ、とことん腐ってる……。人間として最低だ。

「仲間?笑わせるな。俺の役に立てないヤツなんて、仲間とは言わない」

「アンタ、それでも人間? 本当に最低ね」

「うるせぇよ! それ以上喋ったら、その頭撃ち抜くぞ!?」

 後どのくらい、時間を稼げばいい? わたしには、少しの焦りしかなかった。
 警察官には、焦りは禁物なのに……。

「……大丈夫?震えてるわよ? そんな震えた手で、わたしを本当に撃てるの?」

 もう少し。もう少し粘るのよ、わたし。……油断は禁物。ゆっくり落ち着いて、いつも通りに。

「うるせぇっ……!!」

 そしてその瞬間に、銃声が倉庫内に鳴り響いたーーー

「笹野……!!」

 だけどその銃声は、犯人のものではなく……。

「犯人確保します……!!」

 特殊班の銃声であった。

「待ちなさい! 逃さないわよ!」

「……っ!?」
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