【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「すみません……。ご心配とご迷惑をおかけしてしまって」
「本当だ。笹野に何かあったら、責任を取るのは俺なんだぞ」
そう言われたら、何にも言い返せない……。
「本当にすみません……」
「でも、よくやった」
「……え?」
今、【よくやった】って言った……? え、褒めてくれたの?
「ただし、もう無茶はするなよ」
「……は、はいっ!」
まさかの、褒めてくれた……。
「よかったな、笹野。体張った甲斐があったな」
「はいっ!」
あまりこういう世界だと、褒めてもらえるのも少ない。……だけどわたしは、褒めてもらえたのが嬉しくて、思わず笑みが出た。
「つぼみ!」
「……日向?」
「大丈夫か?ケガは?」
「わたしなら、大丈夫」
近寄ってきた日向に、わたしはそう答えた。
「そっか。よかった」
「日向、女子高生たちは?」
と、門野さんが日向に問いかける。
「女子高生たちは全員無事です。多少のケガはありますが、命に別状はなさそうです」
と、日向は真剣な顔つきで答えていた。 その顔を見て、わたしは少しキュンとしてしまった。