【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
その日の夜19時過ぎのこと。
「刑事さん……!」
「ん? あっ……あなたたち」
事情聴取を終えた女子高生の数人が、わたしたちを署の前で待っていたのだ。寒くて凍えそうな寒さの中、マフラーなどを巻いて……。
「どうしたの?」
「刑事さんたちに、お礼を言いたくて……」
「え? そのために、わざわざ待ってたのか?」
日向は驚いたような女子高生たちに、表情を見せていた。
「はい。……助けて下さって、本当にありがとうございました」
「ありがとうございました」
そんな女子高生たちの顔を見たわたしは、ちょっとだけ泣きそうになってしまった。
「もし刑事さんたちが助けてくれなかったら……。わたしたち、どうなってたか分かりませんでした。 怖くて怖くて、仕方なくて……」
「……よかった。みんなを助けられて」
わたしはそう言うと「みんなが無事にこうやって家族の元に帰れること、嬉しく思うよ」と言葉を続けた。
「……本当に、ありがとうございました」
「刑事さん、かっこよかったです」
「……え?」
その言葉はてっきり、日向に向けられたものだと思っていた。