【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 笑顔で手を振る女子高生たちに、わたしは「またね。気を付けて帰ってね!」と言って手を振り返した。
 
「よかったな、つぼみ」

「……うん」

 わたしはこの時、初めて刑事になってよかったと心から思えた。
 こうやって感謝されることのありがたみを、心から感じたのは初めてだった。
 
「つぼみ。お前は、いい刑事になったよ」

 そう言ってくれる日向も、優しい微笑みを浮かべていた。

「……ありがとう。日向」

「しかし寒いな。早く帰って美味いもんでも食べようぜ」

「……うん」

 そういえば、今日って聖なるクリスマスの日なんだよね……。

「ねぇ、日向」

「ん?」

「わたし、もっといい刑事になりたい」

 あんな風に感謝されることなんてまだ少ないし、まだわたしは成長過程だ。

「なれるよ、つぼみなら」

「ありがとう……日向」

 そしてそっと微笑んだ日向は、そっと唇にキスを落として「大好きだよ、つぼみ」と言ってくれた。

「……わたしも、日向が大好き」

「つぼみのことは、俺が守るからな」

 日向のその言葉が嬉しくて、思わず微笑んだ。
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