【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


「……日向。寒いから、温かいラーメンでも食べに行こう」

「ラーメン?今日はクリスマスだぞ?」

「だってわたしたちに、クリスマスなんて関係ないでしょ? クリスマスに事件が起こるくらいなんだから」

「……確かにな」

 こうやって微笑み合い、そして手をどちらからともなく握りしめ歩き出すわたしたち。
 だけどこれが、わたしたちなんだ。

「日向。ラーメン大盛りにしていい?」

「大盛り?食えるのか?」

 なんて会話しながら行きつけのラーメン屋に入ると、そこにはなぜか高野さん門野さんたちもいた。  

「え、高野さんと……門野さん?」

 なんでお二人が……?

「おう、笹野と上林じゃねぇか!何やってんだよ」

「それはこっちのセリフです!なんでお二人が一緒にいるんですか?」

 高野さんと門野さんって、そんなに仲がよかったっけ……?

「たまたま近くで会ったんだよ。んで、腹減ったなって話したら、じゃあ美味いラーメン屋があるからラーメン食いに行くかってなったんだよ」

「そうなんですか」

 聖なるクリスマスの夜に、男二人でラーメン……。虚しいような、虚しくないような。
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