【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「そんなお前らこそ、何やってんだよ」
「そうだぞ。クリスマスの夜にカップル二人でラーメンかよ!」
と、門野さんはニヤニヤしながら言っていた。
「いいんです。 でも聖なる夜を二人で過ごそうと思ってはいましたけどね。……あんなことになっちゃったんで、もう諦めました」
わたしたちは門野さんたちの真横に座り、わたしは味噌ラーメンの大盛り。日向は担々麺の大盛りと、餃子を注文した。
「しかも大盛りかよ!」
「あの事件でわたし、何にも食べてないので、お腹空いてるんです」
「右に同じく」
ツッコミを入れた門野さんに、わたしたちはそう返した。
「笹野はますます、この男社会に塗れてきたな。容姿以外はすっかり男みたいなもんだな」
と、門野さんはビールを飲みながら言ってきた。
「いいんです。これがわたしなので」
「まぁ、笹野は男気あるからな。犯人に堂々と銃を撃たせようとしたり、銃を向けられても平然とした顔してるしな」
「そ、そんなことありません……!」
本当はわたしだって、すごくビビってるんだから……!
本当は強くなんてないから……。