【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
内心ビクビクして、心臓バクバクしてるし。殺される!とも思っている。
「でも笹野も、刑事らしくなってきたな」
「え?」
「笹野の度胸ある行動が、あの子たちを救ったんだ。……それは確実に、笹野が成長した何よりの証拠だろ?」
門野さんはそう言うと、タバコに火を付けた。
「門野さん……」
「笹野はもう立派な刑事だよ。お前はダメなんかじゃない。……お前はもう、ちゃんと一人前の刑事になったんだよ」
門野さんは元々、わたしの教育係だったということもあり、わたしのことをよく見ている気がした。
わたしが悩んでいた時、落ち込んでいた時、真っ先に声を掛けてくれたのは門野さんだった。わたしはそんな門野さんの優しさに、いつも励まされていた。
「……ありがとうございます。門野さん」
「へい、お待ち! 味噌ラーメン大盛りね!」
「ありがとうございます。 美味しそう」
体が冷え切っているわたしにとって、この美味しそうな匂いとこの湯気にはどことなく幸せみたいなものを感じる。
「はい。担々麺大盛りね!」
「ありがとうございます」
「餃子、もう少し待っててね!」