【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
わたしたちは「いただきます」と手を合わせ、熱々のラーメンを啜り始めた。
「ん、美味しい……」
幸せだ……。冷え切っている体も心も満たされるくらいに美味しい。
これが幸せなんだなと、一口食べただけで感じる。熱々のラーメンにスープが絡むと、より美味しい。
「美味しい……。幸せ」
「ハハハ……! 笹野お前、ラーメン食っただけで幸せと思えるなんて、単純なヤツだな」
と、高野さんは笑いながらビールを飲んでいた。
「え、そうですか?」
ラーメン食べれば、誰だって幸せを感じるものじゃないの?
「クリスマスにラーメン食って幸せって言うなんて、女のセリフじゃねぇよ」
「そんな変ですか?」
思い返せば確かに最近、門野さんの言う通り、男社会に塗れているせいかは分からないけど……。女としての魅力を失っているような気がしないでもない……。
こんな社会の中で生活してたら、それはそうなるよね……?
「ラーメンなんか食ってないで、二人で家で甘いケーキでも食って過ごせばいいのにな? な、門野もそう思うだろ?」
と、高野さんは門野さんに聞いた。