【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
わたしはそう言ったそのすぐ後、鑑識がやってきてそのパンフレットを持っていった。
「しかもその女性の話だと、その金田という人からその商品を高い金額で、売り付けられていたようなんです。 飲めば飲むほど、キレイになる。などと言って」
「なるほど……。それって」
「はい。……恐らく、詐欺だと思われます」
その被害者は、もしかしたら詐欺の加害者だったか……。もしくはいつの間にか、詐欺に巻き込まれていたかのどっちかだ。
「なるほど。詐欺関連での殺人か……」
「まだ断定するには早いかとは思いますが、恐らくその可能性が高いかと……」
どっちみちまだ、被害者の身元はちゃんと分かっていない。金田涼平という名前だって、完全に偽名だと思われる。
「……よし、ここ数年の詐欺事件をもう一度荒い直してみるか。何か被害者のことも分かるかもしれないしな」
「そうですね」
「笹野。悪いが資料課に行って、資料課から過去の詐欺事件の資料を借りてきてくれるか?」
そう小野田課長から言われたわたしは「はい。分かりました」と言って、資料科へと向かった。