【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「そうっすねぇ。 まぁ俺に恋人がいれば、俺だって今頃は、恋人と甘い夜を過ごしてたと思います」
そうだよね。聖なる夜のクリスマスは、そうしたいよね……。
「だよな〜」
「まぁ俺は、笹野にフラレた男なんで。しばらく恋愛はいいかなって感じですね」
「え、お前笹野のこと好きだったのか?」
門野さんの言葉に、高野さんは驚いたような表情をしていた。
「……まぁ」
「そっかぁ。 門野、残念だったな」
「いいんすよ、もう。俺には恋愛なんてする暇、なさそうなんで」
「確かにな。警察官なんてやってると、恋愛なんてする暇ねぇよな」
なんて話ながら、門野さんと高野さんは笑っていた。
「え?でも高野さんって、結婚してるんですよね? そう聞きましたけど」
とわたしが言うと、高野さんは「正しく言うと、結婚してただな」と言った。
「してた、ですか?」
「ああ。俺が仕事仕事でまともに家に帰らなかったから、嫁に愛想尽かされたんだよ」
「そ、そうなんですね。すみません……変なこと聞いて」
やばい。余計なことを聞いてしまったみたいだ……。すみません。