【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 日向はそう言いながら笑っていた。

「もうクリスマス、終わっちゃうね」

「そうだな。なんだかんだ盛り上がっちまったからな?舞嶋結晶の話で」

「ごめん……」

 と謝ると「いや。結構聞けてよかったからな」と言ってくれた。

「もうすぐでクリスマス終わるけど、ちょっとだけ乾杯するか」

「うん。そうだね」

 せっかくのクリスマス、終わってしまうけど。せめて二人でお祝いくらいはしたいな。

「シャンパンと……言いたい所だけど、シャンパンないからビールでいいか?」

「いいよ」

「その前に冷えるな。暖房入れるか」

「そうだね。付けよう」 

 暖房のスイッチを入れたわたしと日向は缶ビールを開けて乾杯した後、ビールを一口飲んだ。

「んー……。美味しいっ」

「冷えてて美味いな」

「ね、美味しい」

 体は冷えていて寒いけど、こうして二人で過ごせる時間は温かい。
 暖かい暖房と冷えたビール。そして隣には大好きな人。こんな最高な幸せがどこにあるのかってくらい、今のわたしは幸せだ。
 日向がいてくれるおかげで、わたしは恋人としても刑事としても成長出来る。
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