【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「笹野」
「あ、日向……」
資料科から借りてきたその資料をずっと読んでいたわたしに、日向がココアをくれた。
「お疲れ。ほら、ココア」
「ありがとう」
そのココアを受け取ると、ほんのり温かくてちょっとだけ安心感があった。
「順調か?」
「うーん……。そうでもない気がする」
と答えると、日向は「そうか。頑張れよ」とだけ言ってきた。
「うん」
そのココアを一口飲むと、体の中に染み渡る気がした。
「なぁ、笹野」
「ん?」
「この事件が解決したらさ、笹野の歓迎会やらね?」
突然そう言われたわたしは「え?歓迎会?」と首を傾げて答えた。
「おう。二人で」
「二人で……。うん、いいっ……」
うん?二人で……? えっ!?ふ、二人で……!?
「ふ、二人で!?」
「ああ。゙二人で゙だ」
「な、なんで二人なのよ……」
日向と二人でなんて、緊張しちゃって何話せばいいのか分からないじゃない……!
たださえ昔、わたしが想いを寄せていた相手だというのに……。そんなことになったら、恥ずかしくて日向の目も見れなくなりそうなのに……!