【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「いいだろ?こうして再会したのも、何かの縁、みたいなものだし」
「そりゃ、まぁ……。そうかもしれないけど」
とわたしが答えると、日向は「じゃあ決まり、だな?」と言ってわたしの頭を撫でると、そのまま出て行ってしまった。
「……え」
何かもう、勝手に決めてた……? ていうか今、頭撫でられたよね……?
うわっ……! は、はず、恥ずかしいっ!
「どうした、笹野?」
「え?」
「顔、赤くなってるぞ?」
「えっ!?」
その言葉に思わず、自分の頬を両手で包み込むようにして触ってしまった。
「バカ。冗談だ」
「なっ……。か、からかわないでくださいっ!」
「すまんすまん。なんかからかいたくなって」
「ひ、ひどいです……!」
そうやって笑うのは、同じ強行犯係の門野理久(かどのりく)さん。年齢は33歳。
門野さんは優しくて頼りがいのある人だ。まだわたしが捜査一課に配属されて間もない頃、門野さんが転んでしまったわたしを、おんぶしてくれて手当してくれたことがあった。
話によると、門野さんは独身で、好きな人が出来るとその人に一途なんだとか。