【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


「いいだろ?こうして再会したのも、何かの縁、みたいなものだし」

「そりゃ、まぁ……。そうかもしれないけど」

 とわたしが答えると、日向は「じゃあ決まり、だな?」と言ってわたしの頭を撫でると、そのまま出て行ってしまった。

「……え」

 何かもう、勝手に決めてた……? ていうか今、頭撫でられたよね……?
 うわっ……! は、はず、恥ずかしいっ!  

「どうした、笹野?」

「え?」

「顔、赤くなってるぞ?」

「えっ!?」

 その言葉に思わず、自分の頬を両手で包み込むようにして触ってしまった。

「バカ。冗談だ」

「なっ……。か、からかわないでくださいっ!」

「すまんすまん。なんかからかいたくなって」

「ひ、ひどいです……!」

 そうやって笑うのは、同じ強行犯係の門野理久(かどのりく)さん。年齢は33歳。
 門野さんは優しくて頼りがいのある人だ。まだわたしが捜査一課に配属されて間もない頃、門野さんが転んでしまったわたしを、おんぶしてくれて手当してくれたことがあった。
 話によると、門野さんは独身で、好きな人が出来るとその人に一途なんだとか。
< 17 / 159 >

この作品をシェア

pagetop