【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
一課長の言葉に、わたしたちは「はい」と返事をした。
「では続いて、鑑識係!報告お願いします」
「はいーーー」
その後、わたしたちが事件を解決出来たのは、それから一週間後のことだった。 その犯人を逮捕したのは、犯人を追い詰めた日向であった。
そんなわたしはというと……。
「いったっ……」
「おい笹野、大丈夫か?」
「はい……。門野さん、すみません。 ありがとうございます……」
わたしはなぜか犯人であろう男に拉致られ、ロープで体を縛り付けられた挙句、暗闇の倉庫に閉じ込めれてしまったのだった。
本当に何をやっているのかと、本当に虚しくなった。 しかも犯人に拉致られた後、わたしはガツンと頭を殴られており、そのせいか意識も朦朧としていた。
犯人の顔なんて見ていないし、後ろ姿しか見えていなかったのだ。
これを役立たずと呼ばずして、なんて呼ぶのか……。
「無理するな。 頭を殴られていたから、念の為病院で精密検査を受けよう」
犯人を結局逮捕出来なかっただけでなく、犯人に拉致られるなんて……。わたしは刑事失格だと、本当に思った。