【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
自宅に戻ろうと、タクシーを呼ぼうとしたその時ーーー。
「つぼみ」
と、後ろからわたしを呼ぶ声が聞こえてきた。
「……え?」
気になって振り返ると、そこには……。
「……日向?」
なぜかラフなパーカーとジーパンを履いた日向が立っていた。
「なんで日向がここに……?」
ていうか……。日向今、わたしのこどつぼみ゙って名前で呼んだよね?
「迎えに来たんだ」
「迎え……?」
え、迎えって……。わたしを?
「帰ろう、つぼみ」
そんなことを思っていると、日向はわたしの左手を掴んでそう言ってきた。
「え、あの、日向……!?」
ちょ、ちょっと待って……!
「ちょっと、日向!そんなに引っ張らないでよ……!」
な、何なのよもう! どうしたって言うの?
「ちょっと、日向……。どうしたのよ」
いきなり腕を引っ張ってくるし……。迎えに来たなんて言うし……。
訳が分からない。何なの……?
「つぼみ」
「え、何? てか、なんで呼び捨て……?」
そんな真剣そうな眼差しを向けられたら、ドキドキして何も言えないじゃない……。