【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
無事に犯人を逮捕。警察の取り調べでも罪を認めたため、犯人は後日検察へと送検された。
「お疲れ、笹野」
「あ、日向……」
日向とは最近、ちょっと気まずい……。あの日の場面を目撃された日から、なんとなくそう感じた。
「良かったな、犯人逮捕出来て」
「……うん」
なんか……。日向と何を話したらいいのか分からないな……。
わたしはいちごミルクを飲みながら、そんなことばかりを考えていた。
「……つぼみ」
「……っ!」
そして急に名前で呼ばれて、わたしは思わずビクッとしてしまった。
「つぼみさ。門野さんにデート、誘われたんだろ?」
そう言われたわたしは「え……。なんでそれ……」とだけ呟いた。
確かにそうだ。2日前わたしは、門野さんからデートに誘われた。しかも2人で……。
ビックリしてしまい、断る間もなかった。
「行くのか?」
「なんで……?」
「……いや、別に」
わたしから見たら、日向の顔は明らかに動揺しているようにも見えた。
「……じゃあわたし、行くね」
そう言ってそこから、立ち去ろうとしたその時ーーー