【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 門野さんはそのデータを見ながら、そう言っていた。

「……なるほど」

 その中でもし、身体的特徴が一致する人がいれば……。その人が被害者の可能性が高いってことだ。

「よし、行くぞ笹野!」

「はい……!」

 わたしたちはすぐ、警視庁のデータベースから、10年前に捜索願が出されている人を探すことにした。
 だけどそれを調べるのは大変で……。こんなに大変だとは思わなかった。

「笹野、どうだ?」

「……いえ」

 10年前から遡り、その身体的特徴が一致する人を探すのは簡単なことじゃない。

「ダメだ……。全然分からない」

 3時間以上パソコンを見続けたせいで、とても目が疲れた。ショボショボする気がする。

「笹野、少し休憩しよう。 疲れただろ?」

 そう言って目の前にココアの缶を置いてくれたのは、門野さんだった。

「あ、ありがとうございます」

 ココアを受け取ると、わたしはその缶のプルタブを開けた。

「……いただきます」

「どうぞ」

 ココアを一口飲むと、とてもホッとした。

「美味しい……」

「そりゃ良かった」

「ありがとうございます」
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