【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「だろ?ここの餃子、マジで美味いんだよ」
「美味しいです、本当に」
あまりにも美味しくて、お箸が止まらなくなった。
「美味そうに食べるな、笹野は」
「そうですか?」
「でもそういう笹野のことが、俺は好きなんだけどな?」
その言葉を聞いた瞬間に、わたしは思いっきり噎せてしまった。
「ゲホッゲホッ……!」
「おい。大丈夫か? ほら、水」
手渡された水をわたしはそのまま飲み干した。
「はぁっ……。死ぬかと思ったっ」
「大袈裟だな、笹野は」
なんて笑いながら、門野さんは言っていた。
「だって……。か、門野さんが変なこと言うから……」
だって門野さんが、好きとか、言うから……。
「言っただろ?お前のこと、好きだって」
「……それは、その……」
わたしは、何にも言えなくなった。
「ご、ごちそうさま、でした……!」
わたしはこの空気に気まずくなって、カバンを持ってお店を飛び出した。
「待てよ、笹野……!」
そしてわたしのその後を、門野さんはすぐに追いかけてきた。
そしてわたしの腕を左腕を掴んで、引き寄せた。