【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「笹野が日向のこと好きなのは、知ってたしな。……けど、どうしても伝えたかった。そのくらい、笹野のことが好きだから」
そう言われると、何も言えなくなる……。
「門野……さん」
「日向と、幸せになれよ。笹野」
そう言って冗談交じりに笑う門野さん。わたしはそんな門野さんに「ありがとうございます」と、お礼をした。
「もし日向が笹野のこと傷つけたりしたら、その時は俺が遠慮なく笹野のこと奪うけど、いいよな?」
「……え?」
「なんてな。……冗談だよ」
そう言って笑っていた門野さんだけど、少しだけ悲しそうにも見えた。
だけど門野さんは「じゃあ、俺行くわ」と言ってわたしの前から立ち去ってしまった。
「門野……さん」
門野さんに悪いことをしてしまったとさえ、感じた。……そうさせたのは、わたしだから。
だけど門野さんが言ってくれたから、幸せになれって。 だからわたしは、日向と幸せになるために進んでいく。
これからの人生を、日向と共に歩んでいくために、警察官としてもっと強くなりたい。
何かあった時に、大切な人を守れるような人になりたいから……。