【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 その事件が解決を迎えたのは、それから3日後のことだった。 
 鑑識では調べきれなかった場所やものを、もう一度科捜研にお願いして調べてもらうことにしたのだった。
 そしたらそこに、犯人が残したであろう痕跡がバッチリと残っていたのだった。そこから、犯人を見つけたのだが……。

「え、亡くなった……?」

「はい……。5年前に、ガンで」

 その犯人は、すでに病気で亡くなっていた。

「そうですか……。ガンで……」

「ええ。……もう手の施しようがないって」

「そうですか……」

 奥さんの話だと、容疑者は重い病だったらしい。……もう手の施しようがなく、治療する出来なかったそうだ。
 そして5年前、薬を投薬して様子を見ていたが、容態が悪化しそのまま亡くなってしまったそうだ。

「……それは、お気の毒、でしたね」

 刑事とはいえ、誰かが亡くなることは辛い。

「ええ……。夫は亡くなる前に、わたしにごめんと言ったんです」

「え?」

「俺は罪を犯してしまった。すまない。……亡くなる直前、そんなことを言っていました」

 まさかそれって……。罪の告白……?
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