【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
事件の真相が見えて、終わりを告げても……。心に残るのは、やるせない気持ちだけ。
日向の言うとおりだ。……警察だって人間だ。苦しみや悲しみを乗り越えられない時だって、きっとあるのだろう……。
「日向、なんか美味しいもの食べに行かない?」
「え?」
「ね、食べに行こ? お腹を満たして、次の事件に備えないと」
わたしは日向の腕を引っ張ると、そのまま歩みだす。
「そうだな。食べに行くか」
「そうだよ、行こう」
わたしたちはお互いにしっかり手を握り、再びその道を歩き出した。
それから一年ほどが経ち、わたしたちはついに同棲することになった。
一緒に住むことになってからは、お互い時間が進むのが早くてあっという間だった。
だけどとても楽しい日々を過ごしている。日向とは何でも分かり合えるような気がして、一緒にいても気を遣わなくていいから楽だ。
時にはケンカもするし、言い合いもするけど……。やっぱりわたしたちは、お互いのことを思っているんだなって思った。
好きな人と一緒にいられる幸せって、本当に最高の神様からの贈り物なんだと感じる。