【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「っ……」
ダメだ……。
「坂巻くん……。お願いだから、こんなことはやめて」
「うるせぇぞ。撃たれてぇのか!?」
「あなたは悪いことをした。……人を傷つけるようなことをしたの。 もう罪を償ったんだから、こんなことをするのはやめた方がいい」
どうにかして説得したかった。どうにかして、分かってほしかった。
「……本当に撃つぞ」
「やれるものならやってみなさい」
「……っ!」
わたしがそう告げると、坂巻くんは驚いたように目を見開いた。
「だけどもしあなたが本当に撃った時、あなたはまた犯罪者としての道を歩むことになるわよ。……あなたはまた、同じことを繰り返すつもりなの?」
どうにかして届いてほしかった……。わたしの言葉を、届けたかった。 考え直してほしかった……。
「……うるせぇ」
「あなたはまだやり直せる。……この先の人生、いくらでもやり直せる」
「だから……。うるせぇって、言ってんだろ!?」
逆上してわたしを突き飛ばした坂巻くんは、そのままわたしの頭に拳銃を向けてきた。
「笹野……!」
「つぼみ……!?」