【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
辰野はわたしたち警察が、あんな風にした……。
「教えてくれ、辰野。誰がお前をここに呼びだしたんだ?」
「知らねぇヤツだったよ。知らねぇアドレスから、いきなりメールが来たんだ」
「そのメール、見せてくれるか?」
「……いいけど、別に」
辰野はポケットから自分のスマホを取り出すと、そのメールを門野さんに見せた。
「……どういうこと?」
辰野をメールで呼び出した人物は、辰野の知り合いなんかじゃないってこと?
誰かが辰野を犯人にするために、利用してたってこと……?
じゃあどうして、辰野のアドレスを知ってたのだろう……。知り合いじゃないなら、何で……?
「辰野、このメールに返信したか?」
「した。けどいくら待っても、返信はなかった」
「辰野、スマホちょっとだけ預からせてもらってもいいか?」
「はぁ? まぁ、いいけど……」
辰野を呼び出した人物は、辰野のことを知っている人物に間違いない。
「笹野、悪い。 鑑識に行ってこのメールの差出人を調べてもらってくれないか?」
「分かりました」
わたしはすぐにそのスマホを持って、鑑識へと向かった。