【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
わたしの両親は、わたしが7歳の時に他界した。亡くなった原因は、車による轢き逃げ事故だった。
当時わたしは小学校に通っていて、今でも忘れない。……その日は、わたしがとても楽しみにしていた遠足の日だった。
お母さんが作ったお弁当を持って、動物園に遠足に行った。 その日は両親が、帰りに学校まで迎えに来てくれることになっていた。
ーーーそしてその途中、わたしの両親は、信号無視して走ってきた大型トラックに跳ねられて、亡くなったんだ。
その後の警察の調べで分かったのは、大型のトラックを運転していた運転手が酒を飲んでいたこと。……そして、居眠りをしていたことだった。
両親は、その運転手のせいで二人とも命を落としたんだーーー
最後にわたしが両親の姿を見たのは、遠足に行く日の朝だった。 笑顔で学校に行くわたしを見送ってもらったあの姿が、わたしが見た両親の最後だった……。
そして両親の変わり果てた姿を見たわたしは、両親が亡くなったことを、当時はまだ認識出来なかったのだ。
両親がいつまで経っても帰ってこないことに、わたしは不安を覚えていたのを覚えている。