お姉さん、泣いて
DK side
ザァァァァァァァ。
アスファルトの地面に激しく叩きつける音。
コンビニの窓やガラス扉に激しくぶつかる音。
学校や仕事からの帰宅途中である多くの人々に襲いかかり、全身を濡らす大きく重たい雨粒たち。
「……さむ」
学校からの帰り道。
そんな夕立に遭ってしまった俺は身体を震わせながら、短時間で空を覆い尽くした灰色の雲をコンビニの軒下から恨めしく見つめていた。
夏といえど、全身がびしょ濡れになった今は暖かい湯船が恋しくなるくらい寒さを感じている。
タオルどころかハンカチも持っていない俺にぽたぽたと垂れる雫を拭う方法はなく。
だからと言って、わざわざタオルを買うのもバカらしい。
家に帰れば、タオルで雑巾を作ってどこかの施設に寄付できるほどたくさんあるのだから。
既に濡れネズミ状態なんだし、いっそこのままどしゃ降りに突っ込んで全速力で帰るというのも一つの方法か。