腐女子な女!

「すげぇ~・・・如月さん・・・天才?」


 プロットにペンを走らせていく私に向かって佐倉くんが、そんな言葉を口にした。


「コレぐらいで天才とか呼ばれたら、世に天才は五万といるわよ。これなら、正義とは何かと言うメッセージ性も、強くなるでしょ?」


 魔剣に心許していく勇者。


 だけど、魔剣は魔剣。


 自らの意思で人を殺す剣。


 許すわけには行かない。


 そこで、現れるもう一人の勇者。


 魔剣をかばう勇者と、魔剣に心を操られたと思い、倒すことを決意する、もう一人の勇者。


 間違っているのは、自分か・・・相手か・・・。


「うわぁ・・・こう変わると、確かに面白い作品になった気がする。」


「これなら、勇者二人で萌え要素ばっちり・・・」


 ふぅ~。


 と、書き終えて私は、一息つく。


 これで、二人の勇者を美男子にしちゃえば、ばっちり勇×勇という構図も出来上がるのだ。


 さすが、私・・・抜かりはないぜ。


 ついでに、もう一人の勇者は、最初の勇者の幼馴染みぐらいにしてしまえば、完璧だな。


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