腐女子な女!

「如月さん・・・今日から、もういいから・・・。」


 小声で、だけどはっきりと聞こえる声で、佐倉くんは言った。


 ・・・・・・もう・・・いいから・・・。


 あぁ・・・まぁ・・・そうだよね・・・。


 分かっていたことだけどね・・・。


 私には不釣合いなんだよ、佐倉くん。


 だって、あなたは私と一緒にアニメが見れますか?


 一緒にガンダムの話で盛り上がれますか?


 一緒にセバスチャンのポスターを拝んでくれますか?


 出来ないでしょ?


 やってくれないでしょ?


 だから・・・不釣合いなんだよ・・・あなたと私では・・・。


「え?えぇ?・・・」


 最後までよくわからないと言う顔をしていたのは亜紀のほうだった。


 そういえば、昨日彼女から佐倉くんを下の名前で呼ぶ・・・という指令を受けていたことをふと、思い出したが、どう考えても、もう無理なことは考えなくてもわかっていたことだった・・・・。


 その後、登校してきた奈津も合流し、私は昨日のいきさつを昼休みに説明するといって、机の上にうつぶせた。


 とにかくやる気がしなかったのだ・・・。


 そして、今日の授業が始まる・・・・。


< 42 / 62 >

この作品をシェア

pagetop