腐女子な女!

「・・・・・・・・・」


 そこで、私は、読むのをやめた。


 これ以上は読まない。


 彼に悪い・・・。


 そう思ったからだ・・・。


 だが、同時に思った。


「・・・何が天才作家だ・・・・・・。」


 あの作品は、私の自信作だった。


 全身全霊をこめて、書き上げた作品だった。


 我ながらよくできたと思ったし、これ以上の作品はどんなに頑張ったって、作れないだろうと思った・・・。


 それでも私が得た評価は・・・・・・・。


「あれ?如月さん・・・・・・。」


 声が聞こえた。


 顔を向けると懐かしい顔・・・。


 いや、まぁ正確には同じクラスなので、顔を見ること自体は珍しくはないのだけど・・・。


「佐倉くん・・・。」


 そこで、私が紙の束を持っていることに気がついたらしく、顔を真っ赤にしてこちらに近づく。


 奪い取るように、私から紙の束をもぎ取って・・・


「・・・ごめん・・・違う・・・コレは・・・。」


 何を言い訳しようとしているのだろうか?この坊やは・・・。


「あぁ、やっぱり佐倉くんが書いたのか・・・。」


 このときになって、ようやく確信した。


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