腐女子な女!

「・・・他になかったからかな?」


「??・・・どういういこと?」


「小説を書くことで以外に、俺は自分を表現する方法を知らなかったんだよ。」


 ・・・・・・・・・なるほど。


 彼には、何もなかったのか・・・。


「話を聞いてもらえなければ、文章にするしかないだろう?」


 だから、彼は小説を書く。


 それが、彼の声であり、彼の言葉だから・・・。


「だったら、自伝でも書けばいいじゃない?」


 そっちの方が、よっぽど自分の声が響きやすいと思うのに・・・。


「・・・それだと、面白くないだろ?」


 確かに。


 私は、思わず笑った。


 だから、佐倉くんも笑ってくれた。


「如月さんは・・・。」


 今度は、佐倉くんが質問をする番だった。


「ん?」


「如月さんは、どうして小説を書くのをやめたの?」


 ・・・・・・・・・・・・やっぱり。


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