甘えたがりの4時起きちゃん
「お疲れさまでしたー」
その言葉で、一気に緊張が解ける。
メイクを落とそうとドアの方に目を向けると、海羽っちと男の人2人が立っていた。
「こんにちは」
「ねー美雨、映画に出てみる気はない?」
……はっ?
テレビとかドラマとかじゃなく、映画…しかも演技やったことないのにぃ…
「ねぇ海羽っち、どういうこと…??」
ゆっくり首を傾げる間にも、疑問が深まって水平線くらいまで傾いてきちゃう。
「やっぱり生の方が可愛いね」
いきなり口を挟んできたこの人…さっきから居るけど…ほんとに誰?
「美雨、こちらはプロデューサーの麻生 羽瑠さんで、こちらは…」
「三上くん?」
「あれ美雨、知ってるの?」
「クラスメイトなんです、確か…亜由夢くん、だったよね?」
…間違えてたらすごく恥ずかしいけど…///
「えっ、うん、そう。ありがと」
…良かった、合ってて。
「それで、三上くんの書いた小説が映画化なのよ、もうイケメンだし書く文章とか構成とかすごいし、完璧じゃないのぉ〜」
そう言って私の背中をバシバシ叩く海羽っちだけど…
「亜由夢くん若干ひいちゃってるし、痛いでs…」
「あぁごめん、それでね、主演の子を探しているらしくって。オーディションに出てみない?」