色づいて、濁り、落ちていく
しばらく美冬を見つめて、部屋を出た氷河。
すると庭に銀蔵がいた。
「親父?」
「ん?氷河か。
珍しいな、お前がこの時間に寝てないなんて…」
「眠れない」
「ドキドキしてか?」
「え?あ、そうかも?」
「本気みたいだな」
「は?」
「本気でお嬢さんに惚れてるみたいだな、お前」
「うん。愛しいって気持ちがこれなのかなって、噛み締めてる」
氷河が穏やかに微笑む。
その見たことない息子の表情に、銀蔵は目を大きく開け驚愕する。
「一つ、言っておく」
「何?」
銀蔵が、鋭く氷河を見据えて言った。
「お前には、今の今まで感情がなかった。
だから今まで、淡々と冷酷に仕事をこなしていた。
そのお前が“感情”を持ち始めた。
それはある意味、強みでもあり弱みにもなる。
だから、覚悟しろ!!
“感情”を持ったことで、内名 美冬がこの世界の足枷になるなら、迷いなく消す!
お前はこの鷹巣組の、命綱だから。
いいな!!」
「わかった。美冬が足枷にならなきゃいいんでしょ?」
「あぁ、そうだな」
「大丈夫だよ。美冬を足枷になんかしない。
僕が守る。ずっと傍に置いて、大切に…」
「氷河」
「ん?」
「間違うなよ」
「は?」
「お前は愛し方を知らない。
人を愛することは、この世の何よりも難しい。
間違うと、自分を苦しめ、周りを巻き込み、全て壊れていく」
「意味がわからない」
「まさかお前が“愛情”を手に入れるなんて思わなかったから教えなかった。
それは俺の責任だ。
だからできる限りのことはしてやる。
でもこれだけは肝に銘じろ!!
“愛し方を間違うな”」
銀蔵の静かで力強い言葉が、庭に重く響いた。
すると庭に銀蔵がいた。
「親父?」
「ん?氷河か。
珍しいな、お前がこの時間に寝てないなんて…」
「眠れない」
「ドキドキしてか?」
「え?あ、そうかも?」
「本気みたいだな」
「は?」
「本気でお嬢さんに惚れてるみたいだな、お前」
「うん。愛しいって気持ちがこれなのかなって、噛み締めてる」
氷河が穏やかに微笑む。
その見たことない息子の表情に、銀蔵は目を大きく開け驚愕する。
「一つ、言っておく」
「何?」
銀蔵が、鋭く氷河を見据えて言った。
「お前には、今の今まで感情がなかった。
だから今まで、淡々と冷酷に仕事をこなしていた。
そのお前が“感情”を持ち始めた。
それはある意味、強みでもあり弱みにもなる。
だから、覚悟しろ!!
“感情”を持ったことで、内名 美冬がこの世界の足枷になるなら、迷いなく消す!
お前はこの鷹巣組の、命綱だから。
いいな!!」
「わかった。美冬が足枷にならなきゃいいんでしょ?」
「あぁ、そうだな」
「大丈夫だよ。美冬を足枷になんかしない。
僕が守る。ずっと傍に置いて、大切に…」
「氷河」
「ん?」
「間違うなよ」
「は?」
「お前は愛し方を知らない。
人を愛することは、この世の何よりも難しい。
間違うと、自分を苦しめ、周りを巻き込み、全て壊れていく」
「意味がわからない」
「まさかお前が“愛情”を手に入れるなんて思わなかったから教えなかった。
それは俺の責任だ。
だからできる限りのことはしてやる。
でもこれだけは肝に銘じろ!!
“愛し方を間違うな”」
銀蔵の静かで力強い言葉が、庭に重く響いた。