色づいて、濁り、落ちていく
情が鮮やかに輝く
「ンンン…ぷぁ…氷河さ…苦し…」
「んーだって、気持ちいいんだもん。
こんな気持ちいいキス初めて…!
愛し合ってると、キスって気持ちいいんだね!
てことは、その後はもっと気持ちいいのかなぁ」
そう言うと、氷河の口唇が頬や首、鎖骨にチュッ!チュッ!と下りてきた。

「あ…待って…くださ…」
「え?覚悟しててねって言ったよ?もう我慢できない…」
「わかってます。そうじゃなくて…お風呂に…」
「あ、そうか。わかった。行こ?」
「やっぱり、一緒にですか?」
「うん。一緒に。僕達は恋人同士だから、何をするにも一緒だよ!
もう離れない!」

風呂場に移動し、ジャケットを脱いだ氷河。
「美冬も!脱いで?」
「は、はい。
あの、氷河さん」
「何?また、恥ずかしいから嫌とか言わないよね?
その“恥ずかしい”ってよくわからない感情、嫌い!!
僕に我慢ばっか強いるから!」
「いえ。そうではなく、私の身体を見てもガッカリしないでくださいね」
「は?ガッカリする?
美冬の身体を見て?
……またわからない感情が出てきた。
どうしてそう思うの?」
「私、胸小さいし…」
つい声が小さくなる、美冬。

「僕は美冬がいい」
「え?」
「なんだかよくわからないんだけど、僕は“美冬”を抱きたい。うーん、要するに女優みたいに綺麗じゃないって言いたいんでしょ?
僕はセックスをしたいんじゃなくて、美冬と抱き合って触れ合って、愛し合いたいの。
だから結果的にセックスしたいの。
こんな風に思ったの美冬が初めてだから、上手く説明できないけど…
美冬以外の女には、何も感じないよ。
触りたくもない」
真っ直ぐな氷河の想い。

美冬はもう…本当に覚悟を決めた。
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