色づいて、濁り、落ちていく
「ねぇ、美冬」
「はい」
「この辺がまた痛い。
でもいつものドキドキじゃない。
これ何?
それに金藤を今、無性に殺したい」
氷河が胸を押さえ、美冬に問いかける。
「殺し…って!?氷河さん、なんてことを!?」
氷河の言葉に慌て出す美冬。
金藤は氷河の言動を見て思う。
“若が、嫉妬している”
感情をわからない氷河にとって“嫉妬”も当然初めての気持ちだろう。
金藤は恐ろしさを感じていた。
きっと若ことだ。
ここで内緒のまま出ていくと、躊躇いなく自分は殺される。
氷河は初めての感情に混乱している上に、嫉妬しているのだから。
「美冬、正直に話そう。
このままじゃ、とんでもないことになる」
金藤は美冬に声をかけた。
「はい…
氷河さん、今日お誕生日ですよね?」
「は?
あーそうだよ」
「それで、内緒で氷河さんにプレゼントを買いに行きたかったんです」
「プレゼント?」
「はい」
「そうなんだ。ありがとう!美冬」
そこでやっと氷河が落ち着き、微笑んだのだった。
「若、なので美冬と出てきてもいいですか?」
「わかった。それならいいよ」
「じゃあ、行ってきますね!」
「何を買ってくれるの?」
「それはお楽しみにさせてください!」
「わかった!」
「━━━美冬」
「はい」
「最近、辛くない?」
行きの車内で、金藤が聞いてきた。
「え?」
「さっきの若だけど」
「あ…金藤さんを殺したいなんて…」
「あれは完全に嫉妬だ」
「え?」
「俺に嫉妬してた。
若にはわからないんだろうけど…」
信号で止まった金藤が、バックミラー越しに美冬を見つめた。
「はい」
「この辺がまた痛い。
でもいつものドキドキじゃない。
これ何?
それに金藤を今、無性に殺したい」
氷河が胸を押さえ、美冬に問いかける。
「殺し…って!?氷河さん、なんてことを!?」
氷河の言葉に慌て出す美冬。
金藤は氷河の言動を見て思う。
“若が、嫉妬している”
感情をわからない氷河にとって“嫉妬”も当然初めての気持ちだろう。
金藤は恐ろしさを感じていた。
きっと若ことだ。
ここで内緒のまま出ていくと、躊躇いなく自分は殺される。
氷河は初めての感情に混乱している上に、嫉妬しているのだから。
「美冬、正直に話そう。
このままじゃ、とんでもないことになる」
金藤は美冬に声をかけた。
「はい…
氷河さん、今日お誕生日ですよね?」
「は?
あーそうだよ」
「それで、内緒で氷河さんにプレゼントを買いに行きたかったんです」
「プレゼント?」
「はい」
「そうなんだ。ありがとう!美冬」
そこでやっと氷河が落ち着き、微笑んだのだった。
「若、なので美冬と出てきてもいいですか?」
「わかった。それならいいよ」
「じゃあ、行ってきますね!」
「何を買ってくれるの?」
「それはお楽しみにさせてください!」
「わかった!」
「━━━美冬」
「はい」
「最近、辛くない?」
行きの車内で、金藤が聞いてきた。
「え?」
「さっきの若だけど」
「あ…金藤さんを殺したいなんて…」
「あれは完全に嫉妬だ」
「え?」
「俺に嫉妬してた。
若にはわからないんだろうけど…」
信号で止まった金藤が、バックミラー越しに美冬を見つめた。