色づいて、濁り、落ちていく
結婚式当日━━━━━━━

美冬は、一年ぶりに屋敷を出た。
氷河に手を引かれ、ゆっくり歩く。


会場につき、氷河と美冬は着替えのため一度離れた。
不安そうに氷河を見上げる美冬に、氷河は微笑み言った。

「大丈夫、美冬。
着替えたら、すぐに美冬の元に行くから!」
「はい」
美冬もつられるように微笑んだ。


そして、更衣室に入った瞬間━━━━━

「美冬!!」
「峰原さん?」

「逃げろ!!」

「え?逃げ…る…?」




「お前、このままだと本当にただの人形になる!
だから、逃げ━━━━━━」








仁士が、ゆっくり倒れた。

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