DAY DREAM
太一と口論になったことは、誰にも話していない。
恋愛相談なんてことは、めったにするもんじゃないと思っている。

もはやあの日から1週間たってしまい、今は誰かに相談したい、よりも、早く何とかしなくてはという感情の方が強い。

しかしながら、まるではかったかのようなタイミングで、春の風は吹き付けてくる。

太一と口論になった次の日に、あの、ユウキくんからメールがきたのだ。

めったに鳴らない携帯電話が鳴ったので、驚いたのと、いつのまに私のメールアドレスを知ったのかと、二重で驚いた。


それから、何回かメールがきた。
一応、恋人の存在は告げてあるし、なんとなくそっけなくしてるつもりでもある。

こういう曖昧なところが、私の悪いところだ。

どういうつもりか知らないけど、たった二度程顔を合わせただけの女に、好意を寄せてくれてるようだ。

春は、人の頭を馬鹿にする。

携帯電話が鳴って、私はまた、ゆっくりと返事を書いた。
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