DAY DREAM
太一。
できそこないの、私の愛すべき人だ。
この場合、できそこないなのは、私と彼の両方にかかっている。
アルバイトを点々としながら、「将来は写真家になりたい」という曖昧な夢をかかげる私と
おばあちゃんの八百屋の手伝いをして、給料という名のおこづかいをもらっている彼。
就職という選択肢は、今の二人にはない。
そんなものは、25歳をこえてから考えましょうと言って早四年。期限はあと一年の、24歳二人組。
「ねぇ、おばあちゃんの帽子、太一があげたの?ちょっと派手じゃない?」
「まず“おはよう”でしょー。茄子みたいで可愛いからいいの。」
バカらしい、と笑いながら再び自転車をギコギコ漕いで、お蕎麦屋さんに向かった。
おばあちゃんと、太一のくしゃみが遠くで聞こえた。
本当に寒い。耳が凍ってしまいそう。あともう五分ペダルを漕いだらお蕎麦屋さんの暖簾をくぐれる。
色のない、モノクロの私の一日が始まる。
できそこないの、私の愛すべき人だ。
この場合、できそこないなのは、私と彼の両方にかかっている。
アルバイトを点々としながら、「将来は写真家になりたい」という曖昧な夢をかかげる私と
おばあちゃんの八百屋の手伝いをして、給料という名のおこづかいをもらっている彼。
就職という選択肢は、今の二人にはない。
そんなものは、25歳をこえてから考えましょうと言って早四年。期限はあと一年の、24歳二人組。
「ねぇ、おばあちゃんの帽子、太一があげたの?ちょっと派手じゃない?」
「まず“おはよう”でしょー。茄子みたいで可愛いからいいの。」
バカらしい、と笑いながら再び自転車をギコギコ漕いで、お蕎麦屋さんに向かった。
おばあちゃんと、太一のくしゃみが遠くで聞こえた。
本当に寒い。耳が凍ってしまいそう。あともう五分ペダルを漕いだらお蕎麦屋さんの暖簾をくぐれる。
色のない、モノクロの私の一日が始まる。