DAY DREAM
二十歳になった日に、二人並んで居酒屋に行って
“とりあえずビール二つ”で酔っ払った。

私たちは、幸せ者なのだ。

きゅうりをかじりながら、畳に顔をつけて、二人でへらへら笑っている。

「人間はもう終わりだ!」

「ゆかちゃーん、隣の部屋の人怒ってくるよー」

あれ程までに気を遣いながら生活していたくせに、そんなことかまわず二人でずっと大声で笑っていた。

飲み干せなかったビールが、缶の底にぬるくなってたまっていて、じゃんけんで負けた太一が飲み干した。

寝返りをうった太一の頬には畳のあとがついていて、指でなぞるとざらざらしている。

「きゅうりーは美味い、地球ーは丸い」

太一が歌いだした。

体をごろごろ動かして、おかしな言葉を並べて歌った。

「太一、もっと歌っていいよ。また曲作りなよ」

「ゆかちゃんがつまんなそうな顔するから嫌だよ」

私は真っ赤な顔と、アメーバになってしまった体を起こして太一を叩いた

「曲作ろうよ」
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