DAY DREAM
楽しみにしていた花火大会は雨だった。
前日に雷がごろごろなっていて、もう無理だなと諦めていたら
案の定中止になった。
二年続けて花火が見れないとなると、あまりに悔しかったのでホームセンターで2番目に安い花火を買った。
自転車の籠に放り込んで太一のもとへギコギコ走りながら、楽しみで心臓が早く打つのがわかる。
その夜、公園に水の張ったバケツを持って行き、小さな花火大会は小さく行われた。
もう一つ高いのを買えば良かったと思うほど、花火はちゃちかった。
絶対に譲らないと決めていた手持ちの打ち上げ花火は、ろうそくに火をつけている間に太一が発射させてしまった。
悔しい思いがすっきりしないまま、私は滑り台に駆け上がる。
反省の色を見せず、両手に花火を持って太一は笑っていた。
「ねえ、来月実家帰ることにした」
「へー、どんくらい?」
太一の右手の花火が消えるのと同時に、私は滑り台から滑り降りてしりもちをついた。
「ずっとだよ。」
左手の花火が消えて、太一は、そう、とだけ言って新しい花火に火を点けた。
前日に雷がごろごろなっていて、もう無理だなと諦めていたら
案の定中止になった。
二年続けて花火が見れないとなると、あまりに悔しかったのでホームセンターで2番目に安い花火を買った。
自転車の籠に放り込んで太一のもとへギコギコ走りながら、楽しみで心臓が早く打つのがわかる。
その夜、公園に水の張ったバケツを持って行き、小さな花火大会は小さく行われた。
もう一つ高いのを買えば良かったと思うほど、花火はちゃちかった。
絶対に譲らないと決めていた手持ちの打ち上げ花火は、ろうそくに火をつけている間に太一が発射させてしまった。
悔しい思いがすっきりしないまま、私は滑り台に駆け上がる。
反省の色を見せず、両手に花火を持って太一は笑っていた。
「ねえ、来月実家帰ることにした」
「へー、どんくらい?」
太一の右手の花火が消えるのと同時に、私は滑り台から滑り降りてしりもちをついた。
「ずっとだよ。」
左手の花火が消えて、太一は、そう、とだけ言って新しい花火に火を点けた。