DAY DREAM
9月はきれい
真っ赤な林檎の皮をするする剥いていくと、中の実に将棋の駒の漢字がかかれている。
そんな、伝わりにくいしょーもない夢を見た。
都合よく、太一の夢を見たりできないものなのだ。
悲しいのは、しょーもない夢ばかり見ることではなくて、しょーもない夢の話を、誰にしたらいいか分からないこと。
適当な相槌を打つ太一は、遠くで野菜売ってんだろう。
「無事につきました」
最後に送ったメールに返事はなく、それ以来メールも電話もない。
太一はそういう奴だ。
もしかしたら私と同じように、メールと電話を待っているのかもしれない。
だけど私にも、太一にもそんな勇気はなくて、時間はどんどん流れていく。
実家に帰っても私は相変わらずだらだらしている。
親も、私がいてくれるだけで嬉しいのか、小言一つ言わない。
同居している姉夫婦に部屋をのっとられて、居間でゴロゴロする生活。
久々に会った学生時代の友人達も歓迎してくれたし、25歳で結婚は最近の世の中じゃまだ早いらしい。売れ残った仲間なんてわんさかいた。
女数人で集まって、ありふれた恋愛の話なんてのをしながら時間をつぶす。
「ゆかり、どんなのがタイプなの?いいのいたら紹介するよ。」
太一と離れたら、とびきりのお金持ちと愛のない生活をするんだ、なんて思っていたくせに、いざ現実となると
「音楽好きで、静かで誠実な人・・・かな。」
と、ちゃっかりしている自分に驚いた。
そんな、伝わりにくいしょーもない夢を見た。
都合よく、太一の夢を見たりできないものなのだ。
悲しいのは、しょーもない夢ばかり見ることではなくて、しょーもない夢の話を、誰にしたらいいか分からないこと。
適当な相槌を打つ太一は、遠くで野菜売ってんだろう。
「無事につきました」
最後に送ったメールに返事はなく、それ以来メールも電話もない。
太一はそういう奴だ。
もしかしたら私と同じように、メールと電話を待っているのかもしれない。
だけど私にも、太一にもそんな勇気はなくて、時間はどんどん流れていく。
実家に帰っても私は相変わらずだらだらしている。
親も、私がいてくれるだけで嬉しいのか、小言一つ言わない。
同居している姉夫婦に部屋をのっとられて、居間でゴロゴロする生活。
久々に会った学生時代の友人達も歓迎してくれたし、25歳で結婚は最近の世の中じゃまだ早いらしい。売れ残った仲間なんてわんさかいた。
女数人で集まって、ありふれた恋愛の話なんてのをしながら時間をつぶす。
「ゆかり、どんなのがタイプなの?いいのいたら紹介するよ。」
太一と離れたら、とびきりのお金持ちと愛のない生活をするんだ、なんて思っていたくせに、いざ現実となると
「音楽好きで、静かで誠実な人・・・かな。」
と、ちゃっかりしている自分に驚いた。