甘えたいと甘やかしたい
「さて、あたしの話は置いておいて柚葉の話をしましょう」

「え、私…?」
きょとんとして自分を指さすとうん、と言われ思わず姿勢を正す

「あのさ…あんたと宮野、いつまでも一緒にいられないと思うんだよね」
千絵の突然の言葉に固まってしまう

「なんで…?私、なぎちゃ…」

「あたし見たから、宮野が女子と仲良く歩いてるところ」

頭を鈍器で殴られたようなショックが来る

「な…う…そ…」
ショックすぎて声が出ない

なぎちゃんに彼女…私とはもういられない…

「そ、だよね、幼なじみだもん…ずっと一緒にいられるわけないよね…」
そういいながらポロポロと涙がこぼれてしまう

「柚葉、なんで泣いてんの」

「ふ、…ぅ…」
声が出なくて分からないと言う意味で首を横に振る

「分かってんじゃないの」

「ふぇ…?」
千絵のいつになく真剣な声で涙が一瞬引っ込む

「もし、違う女子が“なぎちゃん”って呼んでて宮野もその子のこと特別な呼び方してたらどう思う?」

違う女の子がなぎちゃん………
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