平凡な私の獣騎士団もふもふライフ４
リズと同じ幸運の娘。確認できる機会もそうはないだろうと思って、先日頭に浮かんだ可能性について尋ねてみた。

すると魔女の口が、クッと冷笑を刻んだ。

「そうか。そういえば、あの亡霊と話したんだっけね。あんな風にきちんと会話をするなんて予想外だったよ」

まるで知っているかのような口ぶりだった。

体を揺らしてくつくつ笑いだした魔女を、リズとシモンは注意深く見つめる。彼女は蘇った白獣の一件も知っているのか？

「あたしは、アティーシャも知っているよ。そして、お察しの通りあの哀れな白獣の戦士もね。彼があの山で力尽きたのも、また縁だったんだろうね」

ありえない。永遠を生きるというのは本当なのか。

いや、それよりも、どうしてピンポイントでアティーシャとその白獣を知っているのか。そして、のちに亡霊として蘇ったことまで？

リズが困惑する中、シモンが厳戒態勢で魔女を睨み付ける。

魔女が笑い声をとめ、視線をリズへと定めた。

「ここにいるべきじゃない。いいかい、これは忠告なんだよ。そばにいたら、あんたが不幸になる」

「……だから、結婚するなと？」

「そばから離れなさい。全員と、お別れするのよ」

またしても予言するかのような言葉を残して、魔女の姿は消えていった。

< 102 / 213 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop