平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
魔女が、すっと指差す。
「そこのカルロと呼ばれている〝戦士〟が、同じく独りで終わるはずだったお前と相棒同士になれたこと。王子が殺されずに助かり、幼獣が絶望することもなく、そこの獣の少年が死なずに亡霊が成仏できたのも、全部、そのおかげさ」
一度に言われて混乱した。リズ自身、理解が追い付かない。
「待って。待ってください。私は、何もしていないわ」
「しているさ。お前が望んだこと、選んだ道筋が存在しなかったはずの良き未来を引き寄せる。幸運の娘は、自然にも愛された存在だ――お前たちも見たんじゃないかい? 山が、彼女の〝望み〟に応えた姿を」
目を向けられたジェドたちが、思い至った様子で考え込んだ。
そういえば、あの時『あんなに風が吹いたのに』と、リズもわずかに疑問を抱いたのを思い出した。
『それは、あなたが望んだからだろう』
不思議がっていたリズに、亡霊はそう告げた。
幸運の娘のことを、ジェドたちに知られないようにはぐらかしたのだ。
「時には、神のいたずらのような強運にも見えるだろうが、運も自然も彼女の味方なのさ。ドジなのではなく、結果として不幸な運から退けられている」
まるで分からせるように言ってきた魔女の目を見て、リズはハッとする。
「私が獣騎士団にくることになったのも、そうだと言いたいの……?」
「そこのカルロと呼ばれている〝戦士〟が、同じく独りで終わるはずだったお前と相棒同士になれたこと。王子が殺されずに助かり、幼獣が絶望することもなく、そこの獣の少年が死なずに亡霊が成仏できたのも、全部、そのおかげさ」
一度に言われて混乱した。リズ自身、理解が追い付かない。
「待って。待ってください。私は、何もしていないわ」
「しているさ。お前が望んだこと、選んだ道筋が存在しなかったはずの良き未来を引き寄せる。幸運の娘は、自然にも愛された存在だ――お前たちも見たんじゃないかい? 山が、彼女の〝望み〟に応えた姿を」
目を向けられたジェドたちが、思い至った様子で考え込んだ。
そういえば、あの時『あんなに風が吹いたのに』と、リズもわずかに疑問を抱いたのを思い出した。
『それは、あなたが望んだからだろう』
不思議がっていたリズに、亡霊はそう告げた。
幸運の娘のことを、ジェドたちに知られないようにはぐらかしたのだ。
「時には、神のいたずらのような強運にも見えるだろうが、運も自然も彼女の味方なのさ。ドジなのではなく、結果として不幸な運から退けられている」
まるで分からせるように言ってきた魔女の目を見て、リズはハッとする。
「私が獣騎士団にくることになったのも、そうだと言いたいの……?」