平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「どうにか合流して、ここから出る方法を考えないと……っ」
魔女が起こそうとしている〝災い〟を止めて、苦しんでいる人たちを救う。
そのためにも行動しなければならない。居ても立ってもいられず、ドレスの裾を翻して走り出そうとした――時だった。
「お姉さん、ここにいたんだー! 良かった!」
え……?
不意に、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた次の瞬間、ものすごいスピードでシモンが突進してきて腰に抱き付かれた。
「きゃあぁあぁ!? え、シモン君っ? どうやってここに!?」
ばくばくした心臓を手で押さえながら、自分よりやや低い彼と目を合わせる。
「なんとなく、勘で走ってきただけだけど?」
きょとんと小首を傾げた彼を前に、リズはくらりとした。
「獣の、勘……」
「お姉さんを見つけたいと思って走ってきたから、合流できて良かったよ。怪我もなさそうだし」
腕を離したシモンが、ざっとリズの状態を確認してから、再び視線を上げる。
「ところで、他のみんなを知らない?」
「いえ、私も一人でここにいたから」
「そっか。俺も一人だったから、引き離されたのかなとはなんとなく推測していたんだけど。これだと、全員捜すには骨が折れそうだね」
「そうね……」
時間がないのは確かだ。
時間の進みが分からないのも、リズの不安を煽る。
魔女が起こそうとしている〝災い〟を止めて、苦しんでいる人たちを救う。
そのためにも行動しなければならない。居ても立ってもいられず、ドレスの裾を翻して走り出そうとした――時だった。
「お姉さん、ここにいたんだー! 良かった!」
え……?
不意に、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた次の瞬間、ものすごいスピードでシモンが突進してきて腰に抱き付かれた。
「きゃあぁあぁ!? え、シモン君っ? どうやってここに!?」
ばくばくした心臓を手で押さえながら、自分よりやや低い彼と目を合わせる。
「なんとなく、勘で走ってきただけだけど?」
きょとんと小首を傾げた彼を前に、リズはくらりとした。
「獣の、勘……」
「お姉さんを見つけたいと思って走ってきたから、合流できて良かったよ。怪我もなさそうだし」
腕を離したシモンが、ざっとリズの状態を確認してから、再び視線を上げる。
「ところで、他のみんなを知らない?」
「いえ、私も一人でここにいたから」
「そっか。俺も一人だったから、引き離されたのかなとはなんとなく推測していたんだけど。これだと、全員捜すには骨が折れそうだね」
「そうね……」
時間がないのは確かだ。
時間の進みが分からないのも、リズの不安を煽る。