平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「そもそも無事でいるのかも分からないよね。結構、頭にガツンって衝撃きたし、気を失ってたら、捜す俺たちの声を聞くのも難しいだろうし」
「えっ? そうなの?」
リズは驚いた。
「お姉さんは感じなかった? 俺、気づいたら倒れていてさ」
「意識がなかったの?」
「うん。立ち上がってもふらふらした。でもお姉さんを思い出したら、こんなことしてる場合じゃないよなって、無理やり走ったらどうにかなった」
「そう……」
一度、白獣の女王に、別の場所に送られるという経験をしたせいでダメージにはなっていないのか。それとも、これも〝幸運の娘〟という体質のせい?
どれもこれも実感はなくて、リズは手を見下ろして悩み込む。
他のみんなが、自分たちと同じく動ける状況なのかも分からない。気を失っている可能性だってあるだろう。
「それなら、私たちでなんとかしなくちゃ」
思わず両手を握ったら、シモンがそっと触れてきてリズの拳を解いた。
「大丈夫、俺もいる。それにそんなに強く握ったら、指輪で痛めてしまうよ」
「シモン君……」
「そんなこと、団長が悲しむよ。たぶんね」
元気付けようとしてれたみたいだ。一瞬、どきりとするくらい大人びた空気を漂わせた彼が、茶目っけたっぷりにウインクしてきて、リズは弱々しいながらも笑い返していた。
「えっ? そうなの?」
リズは驚いた。
「お姉さんは感じなかった? 俺、気づいたら倒れていてさ」
「意識がなかったの?」
「うん。立ち上がってもふらふらした。でもお姉さんを思い出したら、こんなことしてる場合じゃないよなって、無理やり走ったらどうにかなった」
「そう……」
一度、白獣の女王に、別の場所に送られるという経験をしたせいでダメージにはなっていないのか。それとも、これも〝幸運の娘〟という体質のせい?
どれもこれも実感はなくて、リズは手を見下ろして悩み込む。
他のみんなが、自分たちと同じく動ける状況なのかも分からない。気を失っている可能性だってあるだろう。
「それなら、私たちでなんとかしなくちゃ」
思わず両手を握ったら、シモンがそっと触れてきてリズの拳を解いた。
「大丈夫、俺もいる。それにそんなに強く握ったら、指輪で痛めてしまうよ」
「シモン君……」
「そんなこと、団長が悲しむよ。たぶんね」
元気付けようとしてれたみたいだ。一瞬、どきりとするくらい大人びた空気を漂わせた彼が、茶目っけたっぷりにウインクしてきて、リズは弱々しいながらも笑い返していた。