平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
《リズ? 私が何を話しているのか、聞こえるのですか?》
「え、ええ、聞こえるわ。それから、カルロの声も……」
戸惑いがちに目を上げると、カルロがやや顎を上げて鼻を鳴らした。
《ざっくり言っちまうと、ここは不思議空間ってやつだ。記憶、想像力も影響して境界線が曖昧になる場所。獣と人間の言語も混線している可能性がある》
「そ、そうなの」
相変わらず、カルロの言い方は難しい。
つまり彼らが話している〝声〟が聞こえるのも、リズがそれを、人間と同じように喋っていると認識しているせいなのか。
ひとまずそう納得することにして、リズは二頭に目を戻した。
「ところで、あなたたちだけなの? 他のみんなは?」
内心、獣騎士みたいに直で彼らと喋れていることに嬉しさを感じてしまった。気持ちを抑えつつ尋ねてみると、カルロがすぐに首を横に振ってくる。
《魔法で飛ばされた。俺が着地した時、そばにいたのはこいつだけだ》
《あなた方以外には誰とも会えていません。ところでリズ、怪我などはないですか?》
「え? ああ、大丈夫よ」
一瞬、コーマックとよく似た声と雰囲気に、何かを思い出しかけた。だがシモンにつっつかれ、リズは忘れてしまう。
「今、どういう状況になってんの?」
「不思議な空間だから、想像力で意思疎通ができているみたい」
「へー。なんだか面白いね、俺には聞こえないなぁ」
「え、ええ、聞こえるわ。それから、カルロの声も……」
戸惑いがちに目を上げると、カルロがやや顎を上げて鼻を鳴らした。
《ざっくり言っちまうと、ここは不思議空間ってやつだ。記憶、想像力も影響して境界線が曖昧になる場所。獣と人間の言語も混線している可能性がある》
「そ、そうなの」
相変わらず、カルロの言い方は難しい。
つまり彼らが話している〝声〟が聞こえるのも、リズがそれを、人間と同じように喋っていると認識しているせいなのか。
ひとまずそう納得することにして、リズは二頭に目を戻した。
「ところで、あなたたちだけなの? 他のみんなは?」
内心、獣騎士みたいに直で彼らと喋れていることに嬉しさを感じてしまった。気持ちを抑えつつ尋ねてみると、カルロがすぐに首を横に振ってくる。
《魔法で飛ばされた。俺が着地した時、そばにいたのはこいつだけだ》
《あなた方以外には誰とも会えていません。ところでリズ、怪我などはないですか?》
「え? ああ、大丈夫よ」
一瞬、コーマックとよく似た声と雰囲気に、何かを思い出しかけた。だがシモンにつっつかれ、リズは忘れてしまう。
「今、どういう状況になってんの?」
「不思議な空間だから、想像力で意思疎通ができているみたい」
「へー。なんだか面白いね、俺には聞こえないなぁ」