平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
シモンが首を捻る。

共有しながら進めれば大丈夫そうだ。リズは、早速カルロたちへ意見を求めた。

「どうしたらここを出られるかしら? 今すぐに出なくちゃ」

《そうですね……。一刻も早くでなければ、コーマックが困ります》

エリーが考え込む。

《コーマックが任務を遂行できなかったら、領主共々、人間から立場を悪く言われてしまうでしょうし》

《お前は、いつもコーマックだな》

カルロが顔を横にそらし、ふんっと鼻を鳴らす。

《私は人間の事情など知ったことではありません。ですが、相棒のコーマック、そして領主には迷惑をかけられません。この美しい毛並みも、彼らのたまもりです》

キリッとエリーが見つめ返す。カルロは、かなり嫌そうな顔で見ていた。

彼の言葉には、白獣が人間に抱く無関心さが表れている気がした。だから相棒獣となるために、まずは人の暮らしを教えることから始まるのか。

とはいえ、リズとしても少し気になった。

「エリーは、綺麗好きなのね……」

上品さや優雅さを好んでいるのでは、と普段過ごしている様子を見て薄々感じていたのだが、やはりそうだったらしい。

《オスのくせに、美しさってなんだそりゃ》

《あなたが乱暴すぎるのです。美しい白獣として生まれたのに、嘆かわしいことです》

《うるせぇ》

カルロが、容赦なくエリーの頭を前足で踏みつけた。

< 149 / 213 >

この作品をシェア

pagetop