平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
ああ、いつもこういうやりとりがあって踏まれていたのね……。納得してしまっていいのか悩むところだが、うん、仕方がない。

「まぁ、その、仲良くね」

《もしかして驚かせてしまいましたか? すみません、大丈夫ですよ。爪は出していませんし》

何を思ったのか、エリーが焦ってそう言ってきた。そのそばでカルロが、《ケッ》と舌打ちに近い声を上げている。

《乱暴な彼だって、相手に合わせた力で踏んでいますから》

「そうだったのね。ふふっ、エリーは優しいのね。話せて嬉しいわ」

《私も、リズと直接話せて嬉しいです。カルロばかり筆談で意思を伝えられて、それを羨ましくも思っていましたから》

エリーの、どこか品が溢れる紫色(バイオレット)の目が細められる。

話していても、オス臭さがない……リズがそう思っていると、一旦会話がまとまったと察知したのか、シモンが手を上げて割り込んできた。

「ところでさ、一つ気になったんだけど、王都中の人が魔女からエネルギーとやらを吸い取られ続けているわけだけど、俺たちが平気なのは、なんで?」

確かに、それは不思議でもあった。

するとカルロが、愛想のない目を向ける。

《俺たちの白獣の魔力が、魔女の使う精霊魔法を無効化するからだ。だから、あのチビ王子も、普段から幼子の魔力に触れているあの騎士も平気だった》

「なるほど……でも、青い薔薇の造花は危険だったのね?」

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